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こども家庭庁がnote開設。「こどもまんなか」社会の実現に向けた施策に関する情報や、職員の想いをお届けします。
はじめまして、こども家庭庁長官官房総務課広報室の伊藤涼子です。
こども家庭庁は2023(令和5)年4月に発足した、こども施策を一体的に推進する新しい行政機関です。
霞が関の各府省庁の職員に加えて、地方自治体、民間企業からの出向者や保育士などの専門職など、多様な知識や経験を持った職員が、保育やこどもの居場所づくり、母子保健、虐待防止、こどもの貧困対策、ひとり親の支援、障害児支援など、こどもたちにとってより良い社会の実現に向けて、施策づくりを進めています。
このたび、こども家庭庁の取組やここで働く職員の想いをみなさんに知っていただきたい、そして、みなさんがこども施策について知りたいと思っていることにお応えしたいと思い、こども家庭庁内で広報をより積極的に進めるプロジェクトを立ち上げました。
その取組の一つとして、この公式noteを開設します。
ここでは、なるべく専門用語は使わずに、分かりやすい言葉でお伝えしていきたいと思っています。不慣れな点も多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
さて、初回となるこの記事では、以下のような内容をご紹介したいと思います。
こども家庭庁ができた背景
従来、こどもや若者に関する施策(これを「こども政策」と呼んでいます)は、厚生労働省や内閣府など関係する役所で、それぞれ別々に施策を担ってきました。
しかし、少子化、人口減少に歯止めがかからない状況や、令和2年度には、児童虐待の相談対応件数や不登校、ネットいじめの件数が過去最多となり、大変痛ましいことに令和2年は、約800人もの19歳以下のこどもが自殺するなど、こどもを取り巻く状況が深刻になり、さらにコロナ禍によるこどもや若者、家庭へのマイナスの影響が見られていました。
このような状況を受けて、こども施策を政府全体でさらに強力に進めていくために創設されたのがこども家庭庁です。
こうして、関係する省庁から法律や事務が移され(併せて職員や予算も移りました)、2023年4月に、こども家庭庁が発足しました。
こども家庭庁のスローガン
こども家庭庁の発足と同時に、「こどもまんなか」という言葉も大きく打ち出しています。これは、職員一人ひとりが大切にしているこども家庭庁のスローガンでもあります。「こどもまんなか」というのは、読んで字のごとく「『こども』が『まんなか』」ということなのですが、具体的には、
わたしたちがこども政策を進めていくときには、こどもや若者にとってもっともよいことは何かを常に考えてながら進めていくこと、
こどもや若者の声を聴いてそれが政策に反映されるように取り組む こと、
若者の社会参画を促進すること、
など、こどもや若者の視点に立って政策を進めていくことを「こどもまんなか」と言い表しています。
また、こどもや若者の声を反映することと同時に、子育て当事者やこどもを支えている方々の声も聴いて、政策に反映させていくこととしています。
すでに、こども家庭庁や各府省庁がこども施策を進める際に、こども・若者からさまざまな形で意見を聴くための仕組みも始まっています。
これについては、今後の記事でくわしくご紹介したいと思います。
こども家庭庁の役割
こども家庭庁は大きく3つの部門から成り立っています。
3つの部門はそれぞれ、①こどもの視点に立った司令塔機能の発揮、②すべてのこどもの健やかで安全・安心な成長の促進、③さまざまな困難を抱えるこどもや若者、家庭の包括的な支援という役割を担っています。
① こどもの視点に立った司令塔機能の発揮(長官官房)
高校生の方と話したときに、「司令塔ってなんだか怖そう」と言われたことがあります。ここでいう司令塔は、チームで戦うスポーツに例えると、チームメンバーの中で、全体を見渡して、チーム全体に指示を出したり、指揮を取ったりする役割と思っていただけるとよいでしょうか。アメフトのQB(クォーターバック)やバスケのPG(ポイントガード)みたいな役割を果たせることを目指しています。
長官官房では、具体的には、これまで各府省が別々に行ってきたこども政策について、一体的に進めていくための計画(こども大綱)づくりや、こどもや若者が意見を聴く仕組みや場づくり、こどもや家庭に関するデータや統計の充実などを担っています。
② すべてのこどもの健やかな成長の支援(成育局)
妊娠期から子育て期にかけては、さまざまな支援を切れ目なく行っていく必要があります。子育て期といっても「子育て」というのは、こどもが乳幼児期のときだけではなく、学童期や思春期、青年期を経て、こどもが大人になるまで続くものです。こうした子育ての各段階に応じたこども政策を途切れることなく行っていくことになります。
成育局では、妊産婦の産前産後のケアや相談体制、こどもの医療、保育園や認定こども園などの就学前のこどもの健やかな成長のための環境確保、学童期のこどもの居場所づくり、こどもの事故防止などの安全・安心の確保など(すべてご紹介しきれていませんが)、幅広い取組を行っています。
③ 困難を抱えるこどもや若者、家庭の包括的な支援(支援局)
経済的に困難な家庭のこども、障害のあるこどもや医療的ケア児など、多様な支援ニーズを有するこどもの健やかな育ちを支え、誰一人取り残さない社会を実現する観点から、それぞれの地域において包括的な支援を提供する体制の整備も求められます。
支援局では、貧困、虐待、いじめ、不登校、障害・医療的ケア、非行などをはじめとする困難な状況に置かれたこども・若者や、悩みや不安を抱えるこども・若者、ヤングケアラー、児童養護施設などの社会的養護の下で暮らすこども・若者、その家庭に対する支援基盤の充実に取り組んでいます。
このように、
政府全体でこども政策を進める司令塔、
妊娠期から子育て期への切れ目ない育ちの支援、
困難を抱えるこどもや若者、家庭への包括的な支援、
という大まかな役割を知っていただけたら嬉しいです。
ロゴマークに込めたメッセージ
わたしたちのスローガンである「こどもまんなか」という言葉は、こども家庭庁のロゴマークにも使われています。
このロゴマークですが、「こども」の「ど」の濁点は、よく見ると丸くなっているのですが、これは目をモチーフにデザインしており、「大人たちがこどもたちを見守っていく」という意味を込めているんです。
また、ロゴマークの色は、「温かい気持ちで、こどもを見守っていく」という願いを込めて、温かみのあるオレンジを選んでいます。
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制度や政策を進めるだけでなく、社会全体が温かい気持ちでこどもや子育て家庭を見守っていけますように。
そんな願いも込めて、これからこのnoteを通じて、多くのみなさんにこども家庭庁の取組や職員の想いをお伝えできれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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